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理事長ご挨拶

一般社団法人日本嫌気性菌感染症学会感染症学会 理事長 三鴨廣繁

日本嫌気性菌感染症学会は、昭和46年(1971年)2月に発足した嫌気性菌感染症研究会に端を発し、昭和46年(1971年)に第1回の嫌気性菌感染症研究会が開催されています。本学会の前身である嫌気性菌感染症研究会は、嫌気性培養が基礎研究室や一部の医学部附属病院の臨床検査室で実施されはじめた時代に、各種感染症における嫌気性菌の位置づけを明確にすることを目的に発足した研究会です。嫌気性菌感染症研究会は、平成12年(2000年)に日本嫌気性菌感染症研究会に名称変更され、平成25年(2014年)には日本嫌気性菌感染症学会として発展的に改組されて現在に至っています。

最近の学術集会においては、各種感染症検体からの嫌気性菌の分離頻度、検出される菌種、薬剤感受性、耐性機構、病原性、病原性発現メカニズム、嫌気性菌感染症の診断法等、基礎および臨床の視点から多くの研究発表がなされています。特に、Clostridium difficileに関しては、医療関連感染においても注目されていることもあり研究成果の発表が増加し、Clostridium difficile感染症の疫学、診断法、病原因子、ワクチン、抗体療法に関する検討は学会のトピックスとなっています。

日本嫌気性菌感染症学会では、嫌気性菌学の進歩向上を図ることを目的に、1)学術集会(年1回)、2)学会誌の発行(年2号)、3)嫌気性菌検査技術セミナー(年1回)を定期的な事業として行っており、そのほか会の目的を達成するために必要な事業を行っています。

日本で唯一の嫌気性菌感染症研究を行う学会として、嫌気性菌感染症診断の標準化、臨床と基礎の融合によるトランスレーショナルリサーチの実践を目指していきたいと考えていますので、先生方のご協力をお願いしたいと思います。また、学会としては会員数の増加が大きな課題の一つであります。是非とも本学会にご入会いただき、嫌気性菌感染症学の発展および日本からのエビデンス創出に寄与していただけますようお願い申し上げます。